力士は日本相撲協会に勤めるサラリーマン

意外かもしれませんが力士はプロスポーツ選手ではなく、日本相撲協会という会社に勤める会社員です。かなり特殊なお仕事ですが、世間のサラリーマンと同じように場所ごとに番付に応じた給与が支払われています。今回はサラリーマンとしての力士の待遇やお給料事情をご紹介します。

画像出典:スポニチアネックス

日本相撲協会を一般の会社に例えると

まず、力士が勤める日本相撲協会をざっくりと一般の会社に例えてみます。日本相撲協会を構成する人員は約1000人です。そのうち750人が力士、運営側が250人となります。これを一般の会社に当てはめてみると1000人の社員のうち

750人が一般社員(力士)

150人が専門職員(行司、呼出、床山、事務員)

100人が管理職(年寄)となります。

さらに年寄の中から選ばれた10人が取締役(理事)となり、理事長は代表取締役社長のような位置づけとなります。力士は一般社員としての仕事である相撲をとることで給与が支払われます。

十両以上の給与は高額

次に給与体系を見ていきましょう。給与は年6回の場所ごとに番付に応じた額が場所手当て(固定給)として支払われます。幕下以下の力士の場合、場所手当てが15万円となります。月給だと75,000円ですので厳しいように見えますが所属している相撲部屋が衣食住を保証してくれますし、多少のお小遣いもあったりするので十分やっていけるでしょう。

関取になると十両で月給100万円。さらに横綱ともなると月給300万円と、一気に給与がアップするため力士はなんとしても十両以上になるために日々励んでいます。

歩合給

固定給である場所手当てに加えて、力士ごとに歩合が加算されます。これは入門時から積み上げた力士褒賞金と呼ばれる「持ち給金」です。勝ち越したり金星を上げると加算される仕組みになっています。安芸乃島関(現:高田川親方)は現役時代に16個もの金星を獲得していて、金星だけで年間400万円近くの歩合がありました。

力士褒賞金は現役を引退するまで場所手当てに加算して支払われます。さらに幕内優勝すると1000万円のボーナスが付きます。

人気に左右される本業以外の収入

力士には前項の固定給以外にも様々な収入があります。代表的なものは優勝賞金、懸賞金、地方巡業の益金など本業に関わる収入です。本業以外の収入にはCMやテレビ番組への出演料、後援会からのご祝儀などがあります。

特に人気力士の場合は本業以外の収入も相当な額となり、横綱クラスになると億単位の収入があると言われています。

申告はどうしている?

場所手当てなどの固定的な収入は「給与所得」となります。サラリーマンと同じように源泉徴収をされ、社会保険や労働保険にも加入し、年末調整を受けています。

給与以外の収入は、それぞれ一時所得や事業所得として確定申告が必要となります。収入源が複数からある人気力士の場合、確定申告は毎年かなり大変な作業となるようです。

サラリーマンとしての出世

画像出典:スポニチアネックス

力士をサラリーマンとして見た場合、現役時代のスポーツ選手としての出世と、運営側にまわった時の組織においての出世という二段階の出世レースが存在しています。

現役時代の最終目標は横綱になることです。横綱経験者が引退後に年寄りとなって協会に残る場合は大きなアドバンテージとなります(歴代の理事長はほぼ横綱経験者)。

運営側にまわった場合、組織人としての最終目標は理事長です。しかし、相撲部屋を興したい、横綱を育てたいなど人によっては最終目標は異なるかもしれません。いずれにしても現役引退後は一般の会社と同じく組織の幹部を目指す出世レースが始まります。

タイトルとURLをコピーしました