力士になるには

新弟子検査

大相撲の力士になるためには、年6回の本場所前に行われている新弟子検査に合格する必要があります。受験資格は義務教育を修了した健康な男子で23歳未満までとなります。日本相撲協会が指定している社会人や大学のアマチュア大会で一定の成績を残した人については25歳未満までとなります。体格の合格基準は身長167センチ以上、体重67キロ以上となります。ただし、三月場所新弟子検査受検者で、中学校卒業見込者は身長165センチ以上、体重65キロ以上となります。(令和2年7月場所時点)

上記の学歴・年齢・体格基準を満たしている場合に第二検査に進むことができます。第二検査では背筋力、ハンドボール投げ、握力、上体起こし、垂直跳び、反復横跳び、50メートル走などの体力検査を受け、合格すれば晴れて力士になることができます。合格すれば、両国国技館にある相撲教習所に半年間通い、力士としての相撲の知識や技術を学んでいきます。

応募者の傾向

新弟子検査の受験は各相撲部屋を通じて日本相撲協会に申し込むため、人気力士が在籍している相撲部屋や、歴史の長い相撲部屋に申し込みが集中しやすい傾向があります。そのため各相撲部は有望な若者を他の相撲部屋より早くスカウトするために全国に情報網を広げています。また、年々日本出身者の力士のなり手が減少していて、ただ入門者を待っているだけでは弟子が集まらないといった事情もあります。

近年の新弟子検査受験者は学生相撲出身の割合が高くなっています。学生、アマチュア時代に優秀な成績を収めた力士には、前相撲や序の口を飛ばして、いきなり幕下からのデビューが可能になる「幕下付出」制度があるため、こうしたルートを目指す人も増えています。

エピソード

新弟子検査のエピソードとしてよく知られるのが舞の海関です。1990年当時の合格ラインは173センチで、169センチしかなかった舞の海関は頭にシリコンをいれて検査に合格しています。現在はそのようなことは禁止され、体格検査の合格ラインが緩和されました。
最近では、2012年に身長160センチの伊藤爆羅騎(いとう・ばらき)が髪を3カ月間伸ばし、背伸びをして体格基準をぎりぎりクリア、身長160センチの最小兵が誕生して話題となりました。

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